ANAグループの中で、空港での航空機の日々の点検・整備を担う「ライン整備」。その専門会社であるANAラインメンテナンステクニクス株式会社(以下、LTC)は、採用活動における「伝わりにくさ」という課題を抱えていました。「ライン整備について、お客様から見えない範囲の業務がイメージしづらい」——そんなミスマッチを防ぎ、整備士の働く姿をリアルに届けるために導入したのが、採用ポッドキャスト「リクルーティングラジオ(リクラジ)」です。導入の背景や就活生からの反響について、同社総務部総務課の島様と河木様にお話を伺いました。【導入前の課題】・仕事内容の理解不足による採用ミスマッチを防ぎたい・サイトや動画だけでは伝えきれない職場のリアルな雰囲気を伝えたい・夜勤・転勤などへのネガティブなイメージを払拭したい【実際の効果】・「ポッドキャストを聴いてきました」という学生が増加 ・仕事内容や求める人物像への理解が深まり、面接の質が向上 ・リアルな職場の雰囲気が伝わり、志望度・内定承諾の後押しに ・採用広報だけでなく、社内・家族への情報発信にも活用が広がった【お話を伺った方】ANAラインメンテナンステクニクス株式会社 総務部 総務課マネジャー・島 様、河木 様1日約800便。空の安全を支える「ライン整備」とは——まず、御社の事業内容について教えていただけますか。島: LTCは、ANAグループの中でライン整備を事業としている会社です。ライン整備というのは、空港をイメージしていただくとわかりやすいのですが、1日約800便ANAグループで就航する中で、その1便1便に対して点検・修理をする仕事です。昼間は便を就航させるための整備、夜は日中の短い便間では計画できない時間のかかる大きな部品の交換などを行うといった形で、日々航空機が滞りなく飛ぶための整備をしています。——ドック整備というのも聞いたことありますが、ライン整備との違いは何ですか?河木: ドック整備は、格納庫の中で時間をかけて航空機全体の整備をする仕事です。一方、ライン整備は、運航中の便に対して、運航の合間に不具合を修復していくという仕事です。不具合が発生したらその場で対応します。場所も異なり、ドック整備は格納庫の中で整備を行いますが、ライン整備は主に空港のお客様から見えるところで整備を実施します。島: 特に重要なのが、ライン整備とドック整備はそれぞれ別の会社が実施しているということです。ライン整備をやりたいと思って入社していただかないと、入社後に「やはりドック整備がやりたい」となった際に、"転職する"ということになってしまう。だからこそ、入社前にミスマッチをなくしておきたいという思いがあります。「職場を見に来ないと伝わらない」——リクラジ導入の背景——採用ポッドキャスト「リクラジ」を始められたきっかけや背景を教えてください。河木: もともと「audiobook.jp法人版」でオトバンクさんにはお世話になっていて、そのつながりで「リクラジ」をご紹介いただいたのが最初のきっかけです。ただ、私たち自身にも課題はありました。そもそもライン整備という職場は、実際に見に来ないとイメージが湧きにくいので、できるだけ見学会に参加していただきたいと考えています。ただ、日によって発生する不具合や運航状況が異なるため、一度の見学会では具体的に理解を深めることが難しいこともあります。見学会の前後に気軽にアクセスできて、でも具体的でリアルな情報を得られるものが必要だと感じていたところに、ポッドキャストという提案をいただいて、まさに目的が合致したというかたちです。島: 実際、ライン整備とドック整備の違いがわからないまま面接を受けに来る学生の方も多かったんです。来ていただけるのは本当にありがたいことですが、本人が理解していないと入社後にギャップに苦しむことになる。そういったギャップもできるだけ先に解消しておきたいと思っていました。「リアル」にこだわる番組づくり——現役整備士の声を届ける——番組の特徴や、発信する上で心がけていることを教えてください。河木: 「リアルな日常」がテーマなので、できるだけ整備士をゲストに呼ぶようにしています。現役の整備士はもちろん、今はバックオフィスの業務に携わっている人であっても、整備士の資格を持っている社員を中心に呼んでいます。現在配信済みの全6回のうち、採用担当者だけが出たのは「我が社が求める人材」をテーマにした1回だけで、それ以外はすべて整備士に出てもらっています。今後増やすとしても、その軸は変えずにいきたいですね。——転勤や夜勤などのテーマも取り上げているのが印象的でしたが、意識的に発信されているのですか?河木: 意識しています。転勤は難しいところで、全国転勤を前向きに捉えてくださる学生の方も一定数いる一方で、働き方の価値観が変わる中で「転勤したくない」という方も多いです。ただ、「漠然と転勤が嫌」だともったいないと思って。そこで、転勤で良い経験をした社員、むしろ嫌だったけど転勤してみたら良かったという社員をあえてゲストに呼ぶことで、「やってみようかな」と思えるきっかけを作りたいと考えました。島: 転勤の話もそうですが、ライン整備の特徴である屋外で働くことや、夜働くことに抵抗感がある方もいます。そういったネガティブに捉えられがちな要素を、あえて前面に出すことで魅力的に伝えていく。ここは、オトバンクさんにアドバイスをいただきながら一緒に作り上げていった形です。「ポッドキャストで聴いて、こう考えました」——就活生からの反響——配信後、就活生からの反応はいかがですか?河木: 本当にありがたいことにたくさん反応をいただいています。特に面接にいらっしゃった時に「ポッドキャスト聴きました」と言ってくださる方が多いんです。先日までは第1回~第3回を配信していたのですが、「3本全部しっかり聴きました」という声があったのは印象的でした。「ちょっと聴いてみました」というレベルではなく、企業研究に活用しようと本当に真剣に聴いてくださったと。それと、「楽しく聴けました」という声も多くて、会社の雰囲気がしっかり伝わっていたのだと実感しました。河木: また、データを見ると、「我が社が求める人材像」をテーマにした第3回が一番再生数が高いんです。それをしっかり聴いて、「もし入社したら自分はどう活躍できるか」を自分なりに落とし込んで面接に臨んでくださった方もいました。会社が何を求めているかを、具体的なエピソード付きで聴けるというのは、ウェブサイトだけでは難しい部分なので、ポッドキャストならではの効果だと感じています。「家族で聴いています」——採用を超えて広がる社内の反響——社内からの反響はいかがですか?河木: 社内報にもポッドキャストを始めたことを掲載し、口コミで広げてほしいと思って全社員にアナウンスしました。出演した社員は、結構みなさん家族で聴いてくれているようです。面白半分かもしれませんが、それでいいと思っていて。まずはきっかけとして聴いてもらえることが大事だと思っています。島: 採用は息が長い活動ですので、次の世代への裾野を広げるという意味でも、家庭の中で聴いてもらえるのはとても嬉しいことです。家庭で仕事の話ってなかなかしないと思うので、社員が自宅に帰った時に家族や親族の方と一緒に聴いてもらえたら、こういう仕事をしているんだと知ってもらえる。ポッドキャストは誰でも聞けますから、採用活動以外にも会社を知っていただく機会になっているのかなと思います。河木: それから、「私も出たい」と希望する社員もおりました。実は第6回のゲストの社員は、こちらから声をかけたら「やっと呼んでくれましたね」と喜んでいたんです。自分の仕事や思いを発信したいと思っている社員がいるのは嬉しいことです。「外部のプロの目」が、自分たちでは気づけなかった魅力や見せ方を教えてくれた——リクラジを導入して、一番良かったと思うことは何ですか?河木: 弊社の抱える課題をオトバンクさんが一緒に考えてくださったということです。もともとあった課題をどうアプローチして解決していくか、私たちだけでは考え切れなかった部分がありました。あえてライン整備とはまったく関係のない外部の番組制作のプロの方からご意見をいただけたことで、見え方が変わりました。先ほどの話に出てきた転勤や夜勤などネガティブに思っていたところが、見方を変えるとポジティブにも伝えられるんだと気づかされました。河木: それはポッドキャストを作るだけにとどまらず、その後の採用活動にもいい影響を与えています。採用の課題をきちんと洗い出せたというか、どう解決していくかを一緒に考えてくださったところが、本当に良かったと感じています。島: 私が感じるのはタイミングの良さです。例えば内定を複数持っている学生の方が「どこにしようかな」と悩んでいる時に、動画を見てくださいと言ってもなかなか見てもらえない。でも音声であれば、「帰りがけにこれ聴いてね」と声がかけやすい。聴いてみて社内の雰囲気も伝わることで「やっぱりLTCかな」と、最後の決め手になると信じています。そういうアクションにつなげられるのは、音声だからこそだと思っています。今後の展望——採用活動のDX化、そして海外へ——今後、ポッドキャストでどのようなことに取り組んでいきたいですか?島: いくつか考えています。一つは、採用活動そのものをポッドキャストを使ってDX化することです。例えば今はイベントでスライドを使って説明するというかたちをとっていますが、その説明内容自体をポッドキャストに置き換えて、その場では補足や質疑応答に集中するという使い方ができるのではないかと。事前に予習として配信すれば、説明会の質も変わると思います。もう一つは、コンテンツの拡充です。今は6本ですが、もっと増やしたい。特に海外駐在の話を届けたいんです。実は今、韓国・ソウルの空港に、ANAの海外駐在マネジャーとしてLTCの社員が初めて赴任しました。海外で現場のマネジメントに携わり、活躍の場を広げている社員の姿を、就活サイトでは伝えられないようなリアリティを持って音声でお伝えできたら楽しいですね。——ありがとうございました。■ANAラインメンテナンステクニクス株式会社設立: 2012年10月1日従業員数: 1602名(2026年6月1日)事業内容: 航空機の運航整備ウェブサイト: https://www.ltc.ana-g.com/■リクラジ『ライン整備士の働き方って?~LTCのリアルな日常~』“ANAグループの航空機を安心安全と共に大空へ送り出す「航空整備士」”ANAラインメンテナンステクニクス株式会社(ANA LTC)の採用ポッドキャスト番組です。リクルーティングラジオ(リクラジ)の無料相談実施中貴社の採用課題に合わせた企画や運用プランをご提案することも可能です。ご興味がございましたら、お気軽いお問い合せください。お問い合わせはこちらから👇️資料ダウンロードはこちらから👇️